ユングは統合失調症の研究者ブロイラーに師事し、フロイトとも当初意気投合したが、リビドーの概念について対立し決別(ユングはリビドーを性的エネルギーにとどまらない広義の心理エネルギーとした)。
のちにユングはフロイトの精神分析と区別して「分析心理学」(analytical psychology)を創始。
〇集合的無意識
ユングは無意識を「個人的無意識」と「集合的無意識 (collective unconsciousness)」を仮定。集合的無意識は個人の経験を超えて深層に存在する構造。集合的無意識の中で、象徴やイメージを生み出す源を「元型」(アーキタイプ)という。元型にはアニムス(女性の心の中の男性像)とアニマ(男性の心の中の女性像)、ペルソナ(仮面、社会適応のための外的側面)、影(自我を補完する。否定的な影は受容できない暗い部分)、自己(心の全体性。諸元型はここに帰着する)、太母(受容的な母性像)、老賢者(理性的な智慧)、トリックスター(秩序を壊すが否定的にも肯定的にも働く)、英雄などがある。
〇コンプレックス
感情や衝動、観念など様々な心理的要素が複雑に絡み合った複合体。感情に色付けされた心的複合体、意識されていない感情複合体とも。劣等感と同義ではない。
コンプレックスは個人的無意識に、元型は集合的無意識に関連する。
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