防衛機制は、フロイトのヒステリー研究から発展したもので、娘のアンナ・フロイトがまとめ上げた。
エスの欲求から自我を守ったり適応させる方法が防衛として現れる。リビドーや不安などに対してかける機制で、健全なものもあれば不健全なものもある。
①抑圧(repression):耐え難い苦痛や不快感などを無意識に押し込める。幼少期のトラウマが癒されず残る。ヒステリーの原因の一つともいわれ、ジークムント・フロイトでは基本概念
②反動形成(reaction formation):抑圧された衝動を意識化しないように、それとは正反対の態度を強調すること。大嫌いな相手に好意的に振る舞うなど。
③退行(regression):過去の未発達な段階に戻って、衝動や葛藤を感じないようにする。赤ちゃん返りやこども返りなど。
④隔離(isolation):受け入れがたい衝動や感情と、思考(意識内容)や行動を切り離し、感情や衝動は自覚されない。強迫行為にかかわる。
⑤投影(projection):自分の不快な感情や欲求を相手が持っているように思う。相手のせいにしたりする。自分が怒っているのに、相手が怒っていると決めつけることなど。
⑥昇華(sublimation):受け入れがたい衝動を、性的な満足や攻撃ではなく、社会的に価値のある行動に変化する。親に強い怒りを抱いている人が、勉強を頑張ったり芸術で大成したり。
⑦合理化(rationalization):満たされない欲求を理論化し(屁理屈や言い訳で)正当化して納得する。イソップ物語の「すっぱい葡萄」。
⑧否認:不安や苦痛を生じさせる出来事から目をそらし、拒絶する。抑圧は無意識に追いやるが、否認はそれ自体がないものとする。などなど。他にも多数あるようです。
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