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2019-12-09 12:28 AM #367
公認心理師法第1章より
第1章 総則 (目的)
第1条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。(定義)第2条 この法律において「公認心理師」とは、第28条の登録(★1)を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
(欠格事由)
第3条 次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人(★2)
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
三 この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑(★3)に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
四 第32条第1項第2号又は第2項(★4)の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者
<補足>
★1 「第28条の登録を受け」
第28条は「公認心理師となる資格を有する者が公認心理師となるには、公認心理師登録簿に、氏名、生年月日その他文部科学省令・厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。」という条文です。
★2 「成年被後見人又は被保佐人」 (以下は本橋総合法律事務所HPより一部改変)
・成年被後見人:脳死認定をされた方、重度の認知症を患っている方など、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所より後見開始の審判を受けたもの。法律行為の結果が自己にとって有利か不利かを判断することができない程度の判断能力が常態化している。成年被後見人には、家庭裁判所により成年後見人が付されます(民法7条、8条、843条1項)
・被保佐人:中度の認知症の方など、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者で、家庭裁判所より保佐開始の審判を受けたものをいいます。日常的な買い物程度であれば一人で可能であるものの、不動産の売買その他重要な法律行為については一人ですることに不安があり、常に他人の援助を受ける必要がある程度の判断能力を有する者と考えられます。被保佐人には、家庭裁判所により保佐人が付されます(民法11条、12条、876条の2第1項)
〇成年後見制度では、判断能力に応じて3つの類型があります。
判断能力の不十分さは、成年被後見人>被保佐人>被補助人
★3 「この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑」
・「この法律」つまり公認心理師法にも罰則規定があります(第5章)。秘密保持義務や名称の使用制限の違反などで罰金になる可能性があります。
・「その他保健医療、福祉又は教育に関する法律」とは、精神保健福祉法や児童福祉法、学校教育法等などが想定されます。よって関連しない他の法律で罰金刑になっても欠格しないと考えられます(よくある道交法違反での罰金は該当しないと思われます)。
★4 「第32条第1項第2号又は第2項の規定により登録を取り消され」
・第32条は「登録の取消し」等に関する条文です。
・第32条「文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。
一 第3条各号(第4号を除く。)のいずれかに該当するに至った場合
二 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合(←これが第32条第1項第2号)
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第40条(※信用失墜行為)、第41条(※秘密保持義務)又は第42条第2項(※主治医がいる時、その指示を受けなければいけない)の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる。(←これが第2項)
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