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<基礎>精神分析① フロイト

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      精神分析学はオーストリアの精神科医ジーグムント・フロイト(Sigmund Freud)により創始された。

      フロイトは催眠などを使ってヒステリー(現在の解離性障害のようなもの)の治療にあたっていたが、患者と治療者との関係が重要であると気づく。

      どんなことでも省略せずに思い浮かんだことを治療者に話す「自由連想法」などを用いて精神分析療法を始めた。その背景には人は「無意識の」過程によって左右されるという仮定がある。無意識の領域に抑えた欲望などの葛藤を意識化していくことで治療につながると考えた。連想を拒否したり沈黙したりすることを「抵抗」と呼ぶ。

      〇構造論

      フロイトは意識、前意識、無意識の3領域の分類から、「エス」「自我」「超自我」の構造論を発展させた。

      エス:無意識的で、幼児期から抑圧してきたものが集合している領域。感情や欲求衝動など。

      自我(Ego):エスや超自我からの要求を調整する現実的な思考の領域。

      超自我(Super Ego):道徳や倫理、社会のルールなどを伝える領域。しつけなどで取り込まれる。

      このエスからの要求や現実とのバランスを取れていると正常な精神状態でいられるが、耐え難いできごとがあると、自我はそれを無意識に抑圧し、その無意識領域に抑圧された感情などが精神的な疾患につながると考えられました。

      〇治療者と患者の関係

      転移:患者が過去に親など重要な人物に対して抱いた感情を治療者に向けること。幼少期の性的生活の反映と考えられ、精神分析において転移を分析することは重要。

      逆転移:治療者側が自身の心理的問題を患者に転移してしまうこと。フロイトは逆転移は排除すべきと考えた。

      〇心理性的発達理論

      口唇期 → 肛門期 → 男根期(エディプス期) → 潜伏期 → 性器期

      人間の性本能は生まれた時からあり(幼児性欲論)、広義の性欲を「リビドー」と呼んだ。その充足により精神発達のゆがみが出たりする。各段階で満たされなかったり満たされすぎるとその段階に「固着」する。例えば生後~1歳半頃までの口唇期(口は最初の快楽)に長く乳離れできずに固着するとタバコやアルコール依存になったり、乳離れが早すぎると不安が高くなると言われた。

      過去に通過した時点に戻ることを「退行」と呼んだが、固着が強い人ほどその地点に戻りやすい。退行は健康な人でも起きる。

      また、無意識の過程や、リビドーや攻撃的な欲求などから葛藤を生じたりするダイナミズムは精神力動論と呼ばれるようなった。

      フロイトの理論は(広義の精神分析として)、娘のアンナ・フロイト(児童心理学、防衛機制などの研究)らが継承したり、フロイトから離反したアドラーやユングなどが深層心理関連の学派に発展していった。

      フロイトは科学としての精神療法を目指し、精神医学、臨床心理学、哲学などに多大な影響を持ったが、のちに科学分野など多方面から批判されたり有効性が否定されることもあり、実際の治療場面では支持されなくなっていった。

       

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